不倫慰謝料の消滅時効(3年)について

※この事例はフィクションです。

 

ある日、すてきなピンストライプのスーツに身をつつんだ男性が東京銀座法律事務所に駆け込んできました。

「先生、妻が浮気をしていることがわかりました」

『なになに、どうしたんですか。落ち着いてね』

「早くしないと時効になって慰謝料を請求できないかもしれません」

『だから、、、、、、はじめからゆっくり話してください』

 

事情はこのようでした。

 

スーツの男性A  40歳 長女6歳 IT関係の会社の営業マン

妻  39歳 専業主婦

妻の様子は4,5年前からおかしいとは思っていた。急に化粧や洋服に気を配りだし、夜も大学時代のクラス会だと称して出かけることがあったり、携帯をいつも手元におくようになった。

 

「でも、妻はずっと家にいるわけだし、家事は完ぺきにしてくれていたので、たまには息抜きをしたいだろうと、私はあまり気にとめませんでした。そのうち、以前のようにまた落ち着いてきたなと思っていましたし」

しかし、先日、偶然妻の携帯をみたところ、男性と寄り添っている写真を発見。5年前の日付のものから複数枚の写真があり、ラブホテルで取ったと思われる写真もあって、Bと言う名前があった。驚いて妻に問いただしたところ、実は5年前から2年間Bと不倫関係を持っていたとのこと。

 

「そうすると、Bと別れてから3年目ですよね。Bに対してどうしても慰謝料を請求したいのですが、慰謝料の消滅時効は3年ですよね。私は法学部出身だから、時効で慰謝料が消滅しないかと気が気でないんです

 

『法律には詳しいんですね。でも安心してください。まだ時効は完成していません』

 

「え? 本当ですか」

 

『そう、2重の意味で請求が可能です。まず、慰謝料の消滅時効の起算点(いつから時効が進行するか)は、不倫行為が終わった3年前ではありません。不倫行為を知った時、すなわち今、、、失礼、先日ということになります。ですから、まだ何日もたっていませんね。時効は完成していません。また、不倫の相手たるBの名前と住所等特定先が判ることが必要です。つまり、消滅時効というのは、権利の上に眠る人には法は加担しないよ、ということなんです。慰謝料請求するには、相手の名前等が必要ですよね。したがって時効の起算点も、先日というよりも、Bの名前等がわかった時点ということになります』

 

「そうかあ。ではBの住所を突き止めて、内容証明を出します。先生、そのときはお願いします」

 

『はい、わかりましたから安心してください』

 

このように、不倫慰謝料の消滅時効は、3年で完成しますので、慰謝料請求をするには3年以内に請求することが必要です。その3年の起算点は、不倫行為が終了したときからではなく、不倫行為があったことを知ったときであり、不倫行為の相手の名前等を知ったときになります。ただ、判例には「姓名までは知らなくとも、社会通念上、調査すれば容易に加害者の住所姓名などが判明し得るような場合には、その限度で加害者を知ったことになる」(大阪地判S45年12月17日)等の判示がありますから、請求するについてはどうぞ気を付けてください。

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