Q23:クラブのママが枕営業だとして同じ客と繰り返し性交渉をしても、客の妻は、ママに慰謝料請求できないのですか。

質問

クラブのママが枕営業だとして同じ客と繰り返し性交渉をしても、客の妻は、ママに慰謝料請求できないのですか。

回答

東京地裁の平成26年4月14日判決では、クラブのママが、枕営業として顧客(社長)と連続して性交渉(7年間、月1~2回)をしても、その場合のクラブのママは、ソープランド嬢と同じ立場であり、顧客の性欲処理に商売として応じたにすぎないから、婚姻共同生活の維持という妻の権利を害したとはいえず、不法行為にはあたらないとして妻の請求を認めませんでした。けれども、この判決は問題が多いのです。

 まず、枕営業とは、仕事を取るために相手の明示または黙示の要求に応じて相手と性交渉をする営業活動を言います。クラブ等のホステスさんだけではなく、芸能界や保険業界でも噂を聞くことはありますね。判決は、今回のクラブのママの件では、枕営業という営業活動を、対価を伴う商売であって、ソープランドと対比させ、ソープは対価が直接的であるが、枕営業は対価が間接的だという違いがあるだけだと言います。つまり、顧客がクラブに通い、代金を支払う中から間接的に枕営業の対価が支払われているから、間接的ではあるが、対価を伴う商売だと言っています。

 しかし、枕営業が間接的な対価を伴う商売だと構成するのは無理があると思われます。枕営業の対価も未定だし、双方にその認識があるかどうかの認定もむずかしいでしょう。ソープランドとは全く違います(もっともソープランド嬢が不法行為の対象にならないかについては争いがないわけではありません)。

 判決では、クラブのママの行為が典型的な枕営業だと 認定しています。ママは、お客と、主として土曜日に、昼食をともにした後、ホテルに行って性交渉をし、その終了後に別れるということを月に1~2回行っていたのですが、この頻度が、お客がクラブに行く頻度と整合していたからというのです。しかし、お客がママと恋愛関係にあったとしたら、お客には家庭もあり、仕事も忙しく、若くもないのだから、月に1度前後のデートで十分であり、クラブへ行くのも月に1回前後であることはうなずけることです。頻度が整合するから枕営業だと認定するのは無理でしょう。また、ママの自宅ではなく、ホテルのデートというのも勿論普通の関係であり得ることです。

 この判例は、疑問の多い判例だと言わざるを得ません。ということから、クラブのママが枕営業としてお客と繰り返し性交渉をした場合、お客の妻は、ママに慰謝料請求ができると思われます。実際は、お客の妻がママに対し慰謝料請求をしたときに、ママが「あら、枕営業なんだから、不法行為にならず、慰謝料なんて払う必要がないのよ」と主張するかもしれません。そうしたら、枕営業は対価を伴う商売ではなく、大人同士の婚姻外性交渉であるから、不法行為の対象になりますよと反論しなければいけませんね。

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